生命保険って、結婚したしとか、子供が生まれたしとか、「とりあえず入っておいた方が安心」と思っていませんか?その通りです。
ですが、実はしっかりと仕組みを理解すれば、必要以上に保険にお金をかけなくても大丈夫なことがわかります。
生命保険の基本的な3種類のタイプと、公的な保障(国のサポート)とのバランスのとり方について分かりやすくご紹介したいと思います。
民間の生命保険は3タイプ
生命保険は、大きく分けて以下の3つに分類されます。
①死亡保険 ②医療保険 ③がん保険
今回は、「①死亡保険」についてご紹介します。
①死亡保険
万が一の際に、遺された家族に保険金が支払われるもののことを生命(死亡)保険といいます。種類は様々ありますが、主に家族の生活を守るために加入するものです。家計を支える働き手が亡くなってしまった場合に、残された家族の生活費や教育費などを支える役割があります。その名の通りの保険ですので、イメージしやすいと思います。
以下モデルケースとして考えてみます。
- 本人:35歳男性、手取り月収25万円
- 配偶者:35歳
- 子ども:1人(5歳)
死亡保険をかけるのであれば、「定年(60歳)までの生活費をカバーするために」
👉 25万円(手取り) × 12か月 × 25年(定年まで) = 約7,500万円
国の「公的保障」
この民間の生命保険に対して、日本には手厚い公的保障制度が整備されています。
しかし、それをよく知らないまま、まんまと過剰な保険に加入してしまっている人も少なくありません。先ほどの「①死亡保険」に対する国の公的保障制度を紹介します。
遺族年金とは?
遺族基礎年金、遺族厚生年金
日本では、亡くなった方が厚生年金や国民年金に加入していた場合、
つまり、
・60歳未満で国民年金を納付していた人が亡くなった場合、
・60歳以上〜65歳未満で国民年金を納付していた人が亡くなった場合、
国から「遺族基礎年金」や「遺族厚生年金」が支給され、遺族の生活を一定程度支える仕組みになっています。
ここで、この年金について紹介します。
- 国民年金:すべての国民が加入し、自ら保険料を納める年金。
- 厚生年金:会社に勤めている方が対象で、給与から保険料が自動的に天引きされる年金。
定年後まで元気で過ごすとこの年金が老齢年金(いわゆる、年金)として、支給されることになります。
遺族基礎年金(国民年金)
- 対象者:18歳未満の子どもがいる配偶者、または子ども本人
(亡くなった方が国民年金の被保険者であった等) - 受給額(令和6年度):
- 基本:約795,000円(約66,000円/月 相当)
- 子の加算:第1子・第2子 各約228,000円(約19,000円/月 相当)
第3子以降 各約76,000円(約6,000円/月 相当)
遺族厚生年金(厚生年金)
- 対象者:配偶者(主に妻)、子、父母など(一定の条件あり)
- 受給額:亡くなった方の報酬に基づき計算。目安としては月額数万円〜十数万円
平均的な受給額:約10.5万円/月(2022年度) - 期間:
- 妻が40歳以上65歳未満で子がいない場合は「中高齢寡婦加算(年額約585,000円)」が加算される。
少しわかりにくいかもしれませんが、簡単に言えば、黄色の下線が引かれている部分が毎月支給される金額相当を示しています。つまり、死亡保険に過剰に加入する必要はないということです。
「保険はサポート」といった言葉を耳にされたことがあるかもしれませんが、まさにその通りで、万が一の際に生活を支える“補助的な役割”を果たすものなのです。
必要な保障額について
不幸にも突然亡くなってしまった場合、先ほどのモデルケースで考えてみると、実際に必要な保障額は想像より少なくて済む可能性があります。
これは一見、合理的に見えますが、国の公的保障制度を無視した保障金額となっています。公的年金が存在し、一定の生活費はカバーされるようになります。
また、死亡保険は、子供が独立するまでの金額が準備されていれば十分でしょう。
子どもが大学卒業するまで(17年間)の必要保障額
25万円(手取り)
− 6.6万円(遺族基礎年金)− 1.9万円(児童手当等)− 10.5万円(遺族厚生年金※)必要保障額=6万円/月
※平均的な受給額(2022年度)
ということになります。
つまりは、死亡保険の設定は、
6万円(必要保障額)× 12か月 × 17年(子が22歳まで) ≒ 約1,200万円!
とすればいいのです。7,500万円→1,200万円で、約1/6まで補償額を落とすことができました。すると、定期保険の場合になりますが、必要な費用もかなり減らすことができます。
| 保障額 | 必要な保険料(月額) | 備考 |
|---|---|---|
| 9,000万円 | 約 20,000円/月 | 公的年金を無視した計算 |
| 1,200万円 | 約 3,000円/月 | 公的保障を考慮した現実的設計 |
つまり保険は、「すべてを保険でカバーしようとする」のではなく、
公的サポートで足りない部分だけを民間保険で補うのが、賢い選び方です。
保険は「足りない部分だけ」補えばいい
たとえば、独身の人にとっては死亡保険はほとんど必要ありません。
逆に、小さな子どもがいる家庭では、もしものときのために死亡保険を厚めにしておいた方が安心です。
まとめ:知っているだけでムダが減る
生命保険には大きく分けて3つのタイプがあり、それぞれに異なる役割があります。
今回はその中でも「①死亡保険」についてでした。また、何より大事なのは、「国の保障」と「民間の保険」をどう組み合わせるか、です。
公的保障と民間保険のしくみを知り、無理のない範囲で固定費を抑えていきましょう。
ポイント
- 民間保険は、公的保障の「不足分」を補う設計で十分
- 家族構成や子どもの年齢によって調整が必要
- 保険料を抑えることで、その分を貯蓄や教育資金に回せる
「なんとなく」で死亡保険に加入しすぎていないか、一度見直してみることで、月々数千円単位の倹約ができるかもしれません。
What Is Life Insurance?
- Life insurance is something you take out to protect your family’s livelihood.
- However, in Japan, if the deceased was enrolled in a pension plan, a “survivor’s pension” will be paid.
- In other words, insurance should not be used to try to cover everything.The smart choice is to use private insurance to supplement what public support does not cover.
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